こちらに進んでくる黄蓋の船団が次々と燃え始めるのをを見た曹軍は慌て始めました。
曹操は周りの兵達にあの船団を停めるように言いますが、停められるものはいません。
もともと黄蓋の船は燃えやすいように枯れ草に油をかけてあったのであっというまに火は広がります。
そしてその火船は東南の風をうけて勢いを増し、次々と曹軍の船にぶつかっていったのです。
曹操の船団は互いに鎖で繋がれていたため、逃げることもできず、すぐにあたりは一面火の海となりました。
その頃、甘寧はもう一人の偽りの投降者、蔡仲を斬ると曹軍の兵糧基地に火をかけていました。
そのせいで兵糧基地でも水上塞でも曹軍の兵士たちが火を消そうとしていました。
しかしさらにそこを呉軍が攻めたてるのです。
自慢の水上塞が火につつまれ、曹操も必死に火を消すように言いますが、火の勢いは止まりません。
次々と燃える水上塞に呆然としていた曹操でしたが、気がつくと目の前に黄蓋が現れ、襲い掛かってきました。
もうダメかと思ったその瞬間、後ろから現れた張遼の矢が黄蓋の胸をうちぬいたのです。
黄蓋はそのまま倒れ、川に落ちていきました。
曹操はそれを見るとようやく逃げ出しました。
周瑜は曹軍が逃げ出すのを見ると、上陸して追撃し、曹操の首を取ってくるように言います。
そして自らも馬に乗り、曹操を追うのです。
ちなみに黄蓋はその後味方の兵に助けられました。
曹操は分かれ道に来ると、そばにいた張遼にどっちの道が安全かと問います。
ここは烏林を抜けるしかない、と進みだすと前から呉軍の呂蒙が来るではありませんか。
彼は呉軍の中でも有数の猛者です。
張遼は曹操をかばってすぐに彼と打ち合いになりました。
曹操はその隙に逃げ出します。
すると今度は呉軍の凌統が待ち構えていました。
すぐに混戦になりましたが、そこへ徐晃が助けに来たので、彼にそれを任せ曹操はまた逃げ出すことができるのです。
気がつくと曹操の周りには呉軍の追撃を逃れたわずかな兵しか残っていませんでした。
曹操は皆のおかげで自分の命があるのだと、皆をねぎらい、感謝します。
そしてふと、周りの林を見渡すといきなり笑い出しました。
戦に負けたのに大笑いの曹操を誰もが不審に思うと、自分ならここに伏兵を置けば敵将を討ち取れるのに、それをやらぬとは周瑜も孔明も兵法を知らぬ・・・とそう笑ったのでした。
それを聞いた周りの兵たちがつられて笑った途端、その笑顔がひっこみました。
彼らの目にうつったもの、それはいうまでもなく、孔明に指示されて待ち伏せていた趙雲の兵なのでした。
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